朝鮮が日本に通知文/総聯弾圧で表面化した関係膠着の原因

「このような状態では対話も行えない」- 今月2日、朝鮮政府が外交ルートを通じて日本側に示した立場は昨年5月に発表されたストックホルム合意に基づいている。これまで日本は、朝・日間で結ばれた合意に反する態度をとり続けてきた。自らが標榜した信頼醸成よりも、対立助長に傾倒し、先月26日には総聯中央議長、副議長宅への強制捜索という暴挙によってレッドラインを超えた。

北朝鮮は朝鮮半島の地理や地下資源を熟知し、高い技術力を誇る日本の資本を取り入れたいと思っている。植民地支配の過去清算で莫大な資金も入る。一日も早い国交回復を望んでいる。

金正恩時代に入って、日本に対する国民の嫌悪感は少なくなっている。戦争当事者でないのだからそうであるはず。金正日が拉致問題を謝罪したように、金正恩も安倍と握手することに抵抗はないと推測する。

ただ、在日朝鮮人の存在が両国にとって「やっかい」だ。とくに北朝鮮からすれば、在日や朝鮮総連がなければ、いくらでも日本に核やミサイルで脅しをかけることができる。しかし、北朝鮮の大使である朝鮮総連議長や本体が捜索されるとなれば、国家の威信に傷がつく。

日本と仲良くしたいがプライドもある。そのディレンマに直面している。

一般人からすると、北朝鮮こそ独裁政権である「はず」なのに、 実際には「拉致問題の解決」という幻想で国民をマインドコントロールする安倍の方が独裁的だ。