北朝鮮が水爆テストを実施し、人工衛星を打ち上げた。

日本では核実験をして弾道ミサイルを発射したとされているわけだが、日本政府は北朝鮮に対して独自に制裁を課した。

その中身はスカスカ。実質的に北朝鮮に与える経済的ダメージはなく、北朝鮮の核開発、ミサイル開発を支援する朝鮮総連に対する制裁であり、その本質は在日朝鮮人に対する弾圧そのもの。

いくら敵対国の国民だからって、日本で暮らす一般市民を人質にしていじめるというのはいかがなものか。安倍政権らしい陰険なやり口だ。それを許す日本社会も歪んでいる。

とはいえ、この制裁騒動が茶番であることも事実。下にその中身と解説を記した。

なお、朝鮮総連幹部が北朝鮮に渡航した場合、再入国を禁止するとしているが、日本政府はその幹部が北朝鮮に行ったかどうか、どうやって確かめるのだろうか?その幹部とやらが嘘をついたらそれまでではないか?

そもそも、生まれた国への帰還は基本的人権。それを禁止するとなると日本がむしろ国際的な批判を浴びる。朝鮮総連幹部が北朝鮮に行って帰って来て、日本に再入国する際に押し問答をしただとか、反対運動をしただとか、そういったことは聞いたことがない。つまり、ビビッて初めから渡航を自粛しているようだ。なんともしょっぱい。

ということで、下の解説を読んでもわかるとおり、日本の制裁は国民向けのパフォーマンスだし、北朝鮮は痛くもかゆくもないし、朝鮮総連は日本政府の言いなりで大人しい。誰も損をしない茶番劇。

一般の在日コリアンや、補助金が停止される朝鮮学校は風評被害に悩まされている。。。
①人道目的を含むすべての北朝鮮船籍の船舶と北朝鮮に寄港した第三国籍の船舶の入港を禁止

「人道目的」の船は新潟-元山間の貨客船「マンギョンボン」号しかないが、それも2006年から運行が止められている。その他の船舶はそれよりも以前から日本に入港していない。まったく無意味な項目だ。

②北朝鮮への送金は、人道目的で10万円以下の場合を除き原則として禁止

北朝鮮と日本では銀行間取引がない。北朝鮮に行く人が現金を持ち込んでいる。これを税関で厳しく取り締まるシステムはない。しかも申告すれば持ち出せる。第三国で使ったと言えば、北朝鮮にいくら金を落としても誰も取り締まれない。完全にザル。

③新たに北朝鮮の核・ミサイル計画などに関連する団体1つと個人10人の資産を凍結

経産省HPに対象が記載されているが、よっぽどコアに北朝鮮と付き合いのある人しか関連しない。見せかけだけの項目。

④朝鮮総連の関係者らが北朝鮮に渡航した場合に日本への再入国を禁止

朝鮮総連議長、副議長は以前も制裁対象だったし、政治イベントに参加するだけで、実害はない。今回は朝鮮総連中央常任委員も制裁対象に加えられたと言われる。常任でない中央委員も対象に加えたい考えのようだが、その正確なリストを日本政府が持っていないし、持っているとしても朝鮮総連が公表していないから世に出せない。朝鮮総連の幹部も、北朝鮮に家族・親戚がいる。その面会を断たれるという意味では人権侵害にあたる。

なお、北朝鮮の核開発、ミサイル開発を支援する在日朝鮮人の科学者、技術者も再入国禁止となるようだが、それが誰なのか、日本の情報力では、明確な証拠を持って個人を特定することはできない。 仮に原子力の研究者であったり、日本の企業でロケットやエンジンの開発に携わっていたり、過去にそいう研究をしていたからといって制裁対象にするなら、それもまた人権侵害となる。