無料メルマガ「アニョにちは」の4月19日配信記事

内容

-攻撃できなかった過去の事例
-核危機の昔と今の違い
-そもそも攻撃する気がない
米国は北朝鮮がまだ核もICBMも持っていないときでさえ、先制攻撃はおろか、報復攻撃すらできなかった。米国は空母などを東海に展開する脅迫を何度もやっているが、挑発行動だけで実際に攻撃したことはなく、口だけであることがわかる。

1968年1月、朝鮮東海上で米軍の武装偵察船プエブロ号が北朝鮮の海軍に拿捕され、乗組員一人が死亡、82人が捕虜となった。約一年にわたり抑留されたが、米国は空母を派遣して脅すも失敗し、最後は謝罪して捕虜と遺体が返還された。そのプエブロ号の実物が平壌の戦勝記念館に係留されており、米国の謝罪文や当時の映像、捕虜の自白文などが展示されている。

1969年4月、朝鮮東海上で米海軍の偵察機が北朝鮮の空軍に撃墜され、搭乗していた31人が死亡した。捜索活動のため米空軍と海軍の航空機が最大26機投入されたほか、駆逐艦とミサイル巡洋艦の2隻が佐世保基地から出港。遺体が発見されたのは2名だけだった。

1976年8月、板門店、非武装地帯内の共同警備区域内でポプラを切ろうとした韓国軍、米軍の兵士らに対し、北朝鮮の兵士が攻撃を加え、米陸軍士官2人を殺害。数名の韓国軍兵士が負傷した。米国は空母や機動部隊を展開。非武装地帯の外側に多くの重装備を施した韓国陸軍、米陸軍歩兵、砲兵、装甲車両を待機させた。

★米国による対北朝鮮先制攻撃説は今に始まったことではない。クリントン、ブッシュ、オバマを含むすべての政権下で用いた脅しだ。近年で最も緊張が激化したのは2013年2月12日の北朝鮮核実験後。この時は北朝鮮が停戦協定の白紙化を宣言し、各国外交団に退避要請までするに至った。それに比べて今は、日本のメディアが騒いでいるにすぎない。米当局者自身が先制攻撃を否定するか控えるべきだと主張しているのに、安倍首相の安保法制整備を忖度したメディアが有事を煽っている状態だ。

以前の危機は、北朝鮮の核開発疑惑(90年代当時)やウラン濃縮疑惑(00年代当時)に対する米国の圧力が原因だったが、今の演出された危機は、北朝鮮が公表している核開発、ミサイル開発が原因だ。北朝鮮が米国に対して、「おまえら行儀よくしないと核実験するぞ、ミサイル打つぞ」と脅している構図。つまり北朝鮮が米国を圧迫しているのであって、昔と今では攻守が逆転しているのだ。

何度も何度も説明していることだが、さらに言えば、、、

90年代危機と00年代危機は、米国が北朝鮮を圧迫する構図だったので、仲介者の調整によって両者が譲歩する形で危機を脱した。1994年10月21日、朝米枠組み合意(基本合意)と2005年9月13日、六者協議共同声明。これらは北朝鮮が核開発を放棄する見返りに他国がエネルギーなどを提供し、関係改善に取り組むというものだった。しかし、今は、北朝鮮は核保有国であり人工衛星打ち上げ国である。北朝鮮の核放棄はありえない。北朝鮮は無条件に、米国に敵対視政策の放棄、平和条約締結、在韓米軍の撤退を求めている。

つまり、今は北朝鮮が米国に降伏を迫っているから、文字通り米国とっては史上最大の敗戦危機なのだ。

★ここまで説明してもまだ米国に北朝鮮を攻撃してほしいと願っている人がいるから不思議だ。

この緊張状態にトランプはゴルフ、安倍は花見会、、、北朝鮮では一つのストリートが新装オープンする平和ぶり。

米国の先制攻撃説はとても空虚だ。

米国は北朝鮮の核実験施設から483kmの位置にトマホーク巡航ミサイルを搭載した米海軍駆逐艦を配備したとしているが、その核実験施設から京都・舞鶴港までの距離が512kmだそうだ。つまり、トマホークは我々の目の前にあるにすぎない。

さらにその駆逐艦には常に艦対地ミサイルが搭載されており、その一つがトマホークだ。つまり、トマホークを配備したとしているが、普段と変わらない風景にすぎないのだ。

北朝鮮は2013年にトマホークの迎撃訓練を行い成功させている。

シリアとは異なることを一番よく知っているのは米国自身だ。