北朝鮮北東部、朝中露国境地帯にある経済特区、羅先市の羅津とロシア極東のウラジオストクを結ぶ国際観光船が就航した。

過去に日朝間を行き来していた「万景峰」号が使用されている。

「万景峰」号(マンギョンボン号)と聞いて日本は色めき立っている。

制裁の象徴的な船だからか。

ただ、一般的に知られている「カキャクセン・マンギョンボンゴウ」と、今回ニュースになった「マンギョンボンゴウ」は異なるので、以下に解説する。
日本が経済制裁を課し、北朝鮮籍の船が日本に入港ができなくなったのが2006年。この時、メディアに再三取り上げられたのは、1992年に進水された「万景峰92」号の方だ。

で、今回、羅津-ウラジオストク間で使われているのは「万景峰」号、初代の方だ。

見た目にもサイズがかなり違うから間違えるはずもないのだが、現物を見たことのない人は、ネットの検索だけで確認するからすぐ間違える。

ロシア紙の報道やTBSの現地映像でも確認できるのだが、すでにいくつかのメディアは92の写真を間違って使っている。

では比べてみましょう。

こちらが今回、羅津-ウラジオストク間で使われる初代

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初代「万景峰」号について
  • 全長:102m
  • 全幅:14m
  • 総トン数:3,500t
  • 最大速力:16ノット
  • 定員:360名(?)

そしてこちらが日本の制裁で注目された方の「92」号

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「万景峰92」号について
  • 全長:126 m
  • 全幅:20.5 m
  • 総トン数:9,672 t
  • 最大速力:23ノット
  • 定員:350名

前方の甲板に黄色い鉄塔みたいなのがあるのが92、客室の規模が大きいのが92、

というか、92って書いてあるし!

初代は主に新潟―元山間で北朝鮮を訪れる人々を乗せる貨客船として長年使われたが、「三池淵」号や「92」号がでてきて所有権もころころ変わり、主に貨物船として別の使い方をされてきた。

2011年、羅津-金剛山の観光に使われたのは初代。

92は元山につなぎ留められているだけで、整備改修以外に動いている気配はない。

92は大型が貨客船なので、各国各企業が購入やレンタルの取引を持ち掛けているが、「在日朝鮮人と祖国をつなぐ船」「金日成主席生誕80周年を記念して贈られた船」なので、他の目的に使用することはできないと、拒否している。


新潟―元山間を、「92」号は約27時間、初代は約50時間、「三池淵」号は約36時間で運行していたそうだ。

どれも定員は似たような数字だが、92は積める荷物の量がかなり大きい。乗用車30台を積めるという報道もある。