無料メルマガ「アニョにちは」No.0060 発行日:2017.05.12

★文在寅大統領は東アジアに安定をもたらすことができるか★

-文大統領は親北?反日?
-選挙快勝も国政は前途多難
-親北融和で突破口を
-対中国は無難に
※朝中関係一言
韓国大統領選は文在寅氏が勝利した。

日本の新聞・テレビは、「親北・反日」の大統領だと紹介するが、

自分でレッテルを貼って、さあどうする?という記事展開、番組構成はいかがなものか。

こういうのを自演自作という。

★まず、文大統領は親北か?

韓国のどんな大統領でも、内容はどうであれ、南北統一は大きな課題だ。

そのやり方が平和的だからと言って、すなわち親北だとは言えない。

太陽政策で北に融和的だった進歩、左派政権時代も、経済協調はすすんだが、軍事的な対立は残ったままだった。

同族を圧力で苦しめたくないという考え方が親北なのか?

親北と言えば、悪の化身・北朝鮮に何でもかんでも味方する不届き者というイメージで語られているが、そうではない。

北に融和的、統一問題に平和的、という意味での親北だと理解すべきだ。

★次に、文大統領は反日か?

日本のメディアは、歴史問題、慰安婦少女像の撤去撤回や慰安婦問題合意の再検討、独島上陸などを挙げて反日としているが、こんなことは歴代大統領も、他の候補者もやりかねないこと。

韓国の国民向けのパフォーマンスなのであって、これだけを取り上げて対日外交を云々するものではない。

日本としては、文氏が平和的、対話優先、未来志向的であるところに重点を置くべきだ。

北朝鮮の核ミサイルが脅威だと言うのなら、文大統領の対北融和政策を後押しして、地域の安定安全に貢献すればいい。

文大統領としては、国内向けパフォーマンスにすぎない歴史問題を除けば、日本と対立することなど一つもないし、対立したくもない。

前政権によって、北朝鮮とも中国とも関係が悪化したなか、経済、文化、観光などで、対日メリットを引き出したいところ。

反日などできるはずもない。

★そんな文大統領、2位に17.1%差をつけて勝利した。

過去最多の差だったという。

しかも保守の牙城の2道1市以外のすべてで1位だった。

国民指示の高い大統領だと言える。

一方、国会は与党が過半数を持たない「与小野大」と言われる。

第2野党の国民の党などを引き込めば過半数を得るなど、政策遂行が可能となるが、その点は未知数。

大統領選で文大統領と安立候補者が対立したことが尾を引きそうだ。

文大統領は若者の就職など国内問題に大きな期待が寄せられて支持を得たが、国政運営は難しい。

すると外交、とくに北朝鮮問題などで点数を稼ぐ必要がある。

そうするとおのずと道が見えてくる。

★北朝鮮との融和を早期に推し進め、開城、金剛山などの経済協力をいち早く再開することで、経済に油を注ぎ込みたい。

南北経済協力は実はロシアに大きな利益をもたらすため、トランプの本音である「通露封中」にも役立つ。

道のりは長いが任期は5年に区切られている。

夏ごろに離散家族再会などで足掛かりをつけ、秋ごろには開城や金剛山で何らかの進展を図りたい。

そのためには国連制裁との兼ね合いなど、抜け道を行くか王道を行くか、戦略が必要だ。

そのあたりの調整をトランプと相談するのが最初の仕事になろう。

★対中国も大事な問題ではあるが、文政権としては、米国にすり寄っている限り大きな問題にはならない。

中国の習近平主席は戦勝記念行事で朴前大統領を自分に近いところに立たせ、北朝鮮の代表を一番端に追いやるという異例の対応をとった。

だが結果、朴前政権はTHAAD配備を決め、しかも牢屋にぶち込まれた。

習主席にとっては、盟友の北朝鮮を切り捨ててまで朴大統領を歓待したのに、面目丸つぶれ。

その屈辱を晴らし、北朝鮮を捨てて韓国を取り込もうとした自分の政策の正しさを確保するためにも、文大統領に自ら歩み寄ってくるだろう。

★ロシア、韓国を後ろ盾にした北朝鮮が国内の中国企業や中国系住民に圧力を加えたら大変な事態に発展する。

朝中関係というのはそれほど強固で、大きかったのだ。

朝鮮戦争で中国が北朝鮮を助けて米国と戦ったというだけの話ではない。

北朝鮮は中国共産党の存続、政権発足、建国を人力、武力、物資をもって下支えした。

金日成と周恩来、毛沢東との同志関係は想像をはるかに超える強固なものだった。

さらに中国東北地方と北朝鮮との人的、経済的、文化的な結びつきも大きい。

そんな地域を北朝鮮工作活動の拠点として黙認した中国の罪は大きい。

話が逸れに逸れたが、文大統領の就任は東アジアの緊張状態を緩和させる大きな要因となる。

融和、平和、対話、大きな揺り戻しに期待する。