6日の報道では、原子力空母ロナルド・レーガンとカール・ビンソンは日本海から離れた。

これを報じた日経新聞

両打撃群は日本海を離れるが、米原子力空母は1日で約1200キロメートルも移動できるため、空母レーガンは西太平洋海域にいる限り数日以内に半島周辺に戻れる。

戻れるって何だ?

現代の戦争で「数日」は命取り。つまり、日本海にいない空母に朝鮮半島有事に対応できる能力はない。到着したころには戦争は終わっているのだ。

ちなみに、2個の空母打撃群を日本海に展開させたことによって北朝鮮の軍隊を疲弊させたことが成果だという。

放射性物質を満載した鉄くずを東へ西へと走らせている戦争ごっこに何の意味があったのだろうか。

それをあざ笑うかのように、北朝鮮が新型の「反航空迎撃誘導武器システム」のテスト射撃に成功したと発表した。

1年前のテストでは3発中1発の命中だったが、今回は4発全部的中させた。

その実力について公開情報をもとに整理する。
米国は北朝鮮を攻撃する際、原子力空母から戦闘機 F/A-18 Super Hornetと電子戦機 EA-18G Growlerを出撃させる。

まず、電子戦機が敵陣上空に強力な妨害電波を放射し敵国の防空網を無力化する。

そのあとに次いで戦闘機の編隊が敵陣上空深く突入し、戦略拠点を破壊する。

Super HornetとGrowlerは基本性能が同じ。マッハ1.7の速度で作戦高度14kmまで上昇し飛行、作戦時間は2時間15分、作戦半径は720kmだ。

米国が原子力空母を平壌から600km、元山から500km、韓国・鬱陵島と日本・隠岐諸島の間の日本海上に展開させたのはこのためだ。

電子戦機に搭載された装備AN/ALQ-99の射程は150km、この距離に到達して、初めて意味がある。

北朝鮮側からすれば、150km以内に侵入させないこと、つまり150kmよりも遠くで目標を打ち落とさなければならない。

北朝鮮の地対空迎撃ミサイルの最新型は「稲妻-5」。

「稲妻-5」と同規模のロシアのS-300は迎撃距離が150km、速度はマッハ5.9

「稲妻-5」の速度はマッハ7.0なので、迎撃距離は150kmよりも長いとみられる。

この性能の迎撃ミサイルの発射実験に成功したので北朝鮮の指導部が喜んでいたのだ。

ミャンマー高位級軍事代表団が2008年に朝鮮人民軍の施設を見学したときの報告書によると、北朝鮮は低高度、中高度、高高度の三重監視レーダーを偽装した地下基地に設置し、それらを連結した早期警報システムを24時間稼働させており、航空部隊と反航空部隊を連携する統合作戦システムを確立させている。

北朝鮮は新型の「反航空迎撃誘導武器システム」のテスト射撃に成功したと発表したが、スピード、高度、タイミングがそれぞれ異なる4つの飛行体を迎撃した、それぞれ異なるパターンの写真を公開した。

北朝鮮が打ち落とすべき対象はおおよそ次の通り

  • マッハ 5.0:「玄武」系列の短距離弾道ミサイル
  • マッハ 2.5:F-15戦闘機 
  • マッハ 2.0:F-22ステルス戦闘機、F-16戦闘機
  • マッハ 1.7:スーパーホーネット戦闘機、グラウラー電子戦機 
  • マッハ 1.6:F-35ステルス戦闘機
  • マッハ 1.25:B-1B戦略爆撃機
  • マッハ 0.85:B-2ステルス戦略爆撃機
  • マッハ 0.70:トマホーク巡航ミサイル
  • マッハ 0.68:B-52H戦略爆撃機
  • マッハ 0.67:A-10空対地攻撃機
  • マッハ 0.50:グローバルホーク無人戦略偵察機

これらは韓国と周辺海域、日本、グアムに集中的に配備されている。

北朝鮮はこれらを破壊する防御力を備えなければならない。

ちなみに、北朝鮮は2007年ごろまでは、米軍の偵察機が領空侵犯をしたとその都度報じて、年末には統計も示していたが、2008年ごろからはそれがなくなった。ミャンマー軍に見学させた時期と重なる。

ちなみに、北朝鮮もICBMの迎撃はできない。米国も100%に遠く及ばない。