無料メルマガ「アニョにちは」No.0062 発行日:2017.06.22

★米国完敗、追い詰められたトランプ政権が選んだ北朝鮮政策★

−トランプはなぜ対北朝鮮政策の決定を遅らせたのか?
−米国は北朝鮮に敗北する覚悟を決めた
−対北朝鮮政策の矛盾を考える
−トランプが選んだ現実路線
−誰も考えようとしない、北朝鮮の対米政策

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トランプ大統領は1月20日の就任式後、安全保障関連の閣僚らに対し、北朝鮮政策について意見をまとめて提出するよう求めた。

それが完成したのが4月2日。

これに基づいてトランプ政権の対北朝鮮政策が固まると見られたが、実際はそうならず。

結局、5月11日頃にようやく決定したことが、5月25日にワシントンを訪れた韓国の国会議員によって確認された。

★トランプはなぜ対北朝鮮政策の決定を遅らせたのか?

決定の直前、5月9日にノルウェー・オスロ―で米朝会談が非公開で行われた。

当初は半官半民対話のみが行われたと見られていたが、実際は朝米会談が行われていたのだ。

これは6月13日、ホワイトハウス報道官が、北朝鮮で収監されていた米国民の釈放問題を話し合ったと明らかにしたことで世に知られることになった。

それだけを話し合うためにわざわざオスロ―で極秘裏に会ったなどということはありえない。

朝米間の懸案問題を話し合い、北朝鮮が一定の満足を得たので釈放したのだ。

−会談を終えた北朝鮮の崔善姫局長は、「条件が整えばトランプ政権と対話する」と述べた。
−釈放された米国民(帰国後死亡)は、北朝鮮の体制転覆を企図した罪で15年の刑が確定していた。

会談が北朝鮮にとって満足いくものだったことがわかる。

つまり、トランプ政権は5月9日のオスロ−会談で対北朝鮮政策の妥当性を探り、5月11日に決定したのだ。

韓国の国会議員によって明らかになった、トランプ政権が決定した対北朝鮮政策は、

①北朝鮮を核保有国として認めない
②北朝鮮に制裁と圧迫を加える
③北朝鮮の政権交代を追求しない
④対話で問題を解決する

★核保有国として認めないし制裁と圧力を加えるのに、政権を認め対話で問題を解決する。

なんともしっくりこないのは、核放棄の問題をどう扱うかについて言及していないからだ。

しかし、核保有国として認めないけど対話で関係改善を図るということは、核保有という事実を棚上げするということを暗に語っているのだ。

つまり、北朝鮮はインド、パキスタンのような位置づけになる。

事実上の核保有国であるが、米国はそれを認めていない。

認めていないが放棄を迫ることもない。

トランプ政権が決定した対北朝鮮政策とは、結局、核放棄や核開発の停止に言及しないあいまいなものだ。

あいまいなものをあいまいなままに先送りするのは、問題を解決できず、責任も負いたくないからだ。

米国が北朝鮮の核放棄をあきらめたということは、北朝鮮政策の失敗が確定し、敗北したことを意味する。

20数年にわたる北朝鮮の核問題は、米国の敗北という結果にたどり着こうとしている。

★北朝鮮に制裁と圧力を加えるが、政権交代を追求しないということは矛盾する。

ティラーソン米国務長官は、文在寅大統領の特使に対し、「北朝鮮は我々を一度信じるべきだ。トランプ政権は北朝鮮の政権交代を追求しないし、北朝鮮を侵略しないし、体制を保障する」と述べた。

北朝鮮当局のブリーフィングによれば、北朝鮮当局は②と③の矛盾について、②は現状を述べており、③は今後を語っていると解釈している。

②は強硬派を抑え対面を保つための方便で、③はティラーソンが述べたようにトランプ政権の意図だ。

北朝鮮側は③に重きをおいている。

④はわざわざ言及するものでもないはず。

それなのにわざわざ対話で解決すると述べたのは、トランプ大統領が首脳会談を見据えている意図が含まれているからだ。

北朝鮮側は、米国との水面下での交渉で以上のように解釈したので、米国側への応答として、米国民を釈放したのだ。

★重要なことは、トランプ政権が現実路線を選択したことだ。

北朝鮮の核兵器を廃棄されることは不可能だ。

そうすると、おのずと米朝関係の終着点は核放棄ではなく、よくて核凍結ということになる。

実際、米国の前国家情報局長、前国防部アジア太平洋次官補代理、元国防長官でクリントン政権下で朝鮮政策調整官を務めたペリー氏などが、そのように語っている。

こうなると米朝会談の焦点は、

−北朝鮮の核凍結とは、実験の停止なのか?開発自体の中断を意味するのか?
−米国は北朝鮮が要求する平和協定締結、駐韓米軍撤退、軍事演習中止をどの程度受け入れるのか?

ということになる。

平和協定締結は両国共通のゴールだ。

その先には、平壌とワシントンに外交事務所設置→国交樹立へと向かう。

その過程で、北朝鮮の核の平和利用は認めるのか?米軍の完全撤退を求めるのか?制裁解除のタイミングはいつか?などのせめぎ合いがある。

今年8月、来年3月の米韓合同軍事演習などで北朝鮮はトランプ政権の本気度を見定める。

★北朝鮮を非難することしかできない北朝鮮専門家は、北朝鮮の狙いをわからないし、知ろうともしないから、米朝関係の先行きを見通すことができず、いつもトンチンカンなコメントしかできない。

北朝鮮の目標は朝鮮半島の統一にある。

統一を阻む分断の根源が米国による南支配だ。

だから米国を除去すること、「我が民族同士」、自主的に、平和的に、団結して統一を目指している。

そのため、北朝鮮は現在の停戦協定を平和協定に発展させ、朝鮮半島から米軍を撤退させることを求める。

これは金王朝三代にわたる宿願。

米国は普通の対話じゃ応じないし、核兵器で脅すやくざ国家だから、北朝鮮は核・ミサイル開発で抑止力を備えた。

そして今では米国を破滅させうる強大な力を手にした。

米国が北朝鮮を追い詰めているのではなく、北朝鮮が米国を追い詰めている。

以前は核放棄=平和協定だったのに、今となっては核凍結=平和協定・米軍撤退と条件が変わった。

米国には時間がない。

トランプ大統領は北朝鮮問題に関わった時間が短いだけに、敗北を過去の政権の責任にして、米朝融和に切り替えて、中東など他の問題に力を注ぐという選択が可能だ。