無料メルマガ「アニョにちは」No.0063 発行日:2017.07.20

★朝米和平迫る、北朝鮮ICBMで米国の敗北は確定★

-手出しできない米国
-米国の敗北という意味
-トランプはどう動く?
―朝米和平に備える周辺国
★北朝鮮がICBMの発射実験に成功した。

しかも、7月4日、米国の独立記念日に特大級のプレゼントを見舞った。

最大級の屈辱にも、米国は何ら手出しできず、傍観するのみ。

過去に国防長官を務め米朝交渉に取り組んだ経験のあるウィリアム・ペリー氏は、その時の教訓についてこう語った。

「ブッシュ、オバマ両政権の失敗の理由は、北朝鮮が崩壊すると信じていたからだ。時間の問題だと。だから、時間が過ぎるままにすればいいと。もちろん崩壊しなかったし、これから崩壊するだろうと予測する理由もない」

いずれ崩壊するだろうと見誤った結果が、敵国に核、ミサイル武装を許す結果となった。

★米国は核保有国、国産ICBM保有国と交戦したことはない。

当ブログが何度も指摘しているように、米国に残された選択肢はテーブルにつくこと。

しかも、不利な条件で交渉に臨む羽目になった。

以前なら北朝鮮が核ミサイル実験を停止すれば会談に応じ、査察を受け入れたら制裁を一部解除し、、、という具合に行動対行動で交渉を進めることができた。

しかし、今、北朝鮮が提示している条件は、「米韓合同軍事演習を中止すればミサイル実験を中断する」という難題。

さらに、「米軍が朝鮮半島から撤退すれば、核開発を凍結する用意がある」という強気発言。

経済制裁解除や人道支援など、もはや何の餌でもなくなり、残ったのは軍事行動のみ。

これは、米軍が北朝鮮の核ミサイルの脅威に恐れおののき、譲歩、撤退するということ。

つまり、米国の敗北を意味する。

ICBM発射に成功した日、金正恩委員長はこう述べた。

「米帝との長い長い対決がいよいよ最終段階に入った」

北朝鮮は核ミサイル武装というゴールに到達した。

米国の負けだ。

★トランプ大統領は就任直後から北朝鮮に対して、軍事的、経済的にあの手この手を尽くして脅しおかけ、有利な条件で対話を始めることを目指してきたが、北朝鮮にことごとく突っぱねられて、今に至る。

金委員長は続けてこう挑発した。

「今後、退屈しないように大小のプレゼントを頻繁に贈ってあげよう」

米国が「わかった、もう何もしないから、どうか平和協定を締結しましょう」と白旗を振って会談場に現れるまで、北朝鮮の核、ミサイル実験は続くという宣言だ。

米国は平和協定に調印し、もはや必要でない米軍を韓国から撤退すると約束させられ、経済制裁を解除する。

その時の体面をどう保つか。

トランプ大統領は、金正恩委員長と文在寅大統領の間に入って南北融和をアピールすることによって、事実上の敗北である米朝和平会談の色を薄めようとするに違いない。

(イスラエルのラビン首相とパレスチナ解放機構のアラファト議長の間にクリントン大統領が入って和平を演出したあの欺瞞に満ちた構図)

しかし、北朝鮮は韓国を戦争当事者として認めていないのでこれを許さない。

米国側の高官が朝米和平、駐韓米軍撤退、経済制裁解除の合意に調印する様子を公開することを求めるはずだ。

そういう日が刻一刻と近づいていることを、多くの人々が気づいていない。

★北朝鮮は崩壊する、ミサイルはハリボテ、腹が減って戦ができない。

そんなデマが、デマであると明らかになった今でも、まだ、こういう現実を直視できないでいるのは嘆かわしい。

そんななか、文在寅政権は北朝鮮に会談を提案した。

中国、ロシアは米国の制裁圧力をはねつけ、再び北朝鮮問題で軸を作ろうと、動きを見せ始めた。

ロシアは着々と北朝鮮のインフラ援助を続けている。

中国は制裁への非協力姿勢をあからさまにしている。

そして実は安倍政権も6月に北朝鮮との水面下での交渉を行った。

北朝鮮のミサイルに退避した訓練やCMで危機を煽る一方、交渉の道をさぐっているのだ。

これはもちろん、米国が対話に舵を切る際に出遅れないための布石だ。

妄想の世界で繰り広げられる北朝鮮報道しか目にしない人には絶対にわからない、周辺国の動き。

夏から秋にかけて、北朝鮮情勢はダイナミックに動く。