北朝鮮のミサイルが日本の上空を通過した。

日本はミサイル防衛システムに大金を投じてきたのに、迎撃できず、指をくわえて見てるしかなかった。

その理由はこういうことだ。。。
日本の防衛省は2016年8月、自衛隊に破壊措置命令を下した。

破壊措置命令とは、自衛隊が警戒態勢を維持するなか、北朝鮮の中長距離弾道ミサイルが日本に向けて飛来する際に日本海上空で迎撃せよとの命令だ。

今回、北朝鮮のミサイル「火星12型」が北海道上空を通過し、北太平洋に着弾した。

しかし、防衛省の破壊措置命令を実行されなかった。

海上自衛隊はイージス駆逐艦4隻を運用している。ここには、北朝鮮の中長距離弾道ミサイルを迎撃できるという米国産ミサイル防衛システムが設置されている。

米国が世界で唯一、日本だけに提供したイージス駆逐艦のミサイル防衛システムは、SM-3ブロックIBという迎撃ミサイルを発射する。これは現状で配備されている最新型だ。

米国はイージス駆逐艦16隻を太平洋の各所に配備しており、そのうち日本近海に配備した7隻は、日本に駐屯する米海軍第7艦隊に配属されており、北朝鮮のミサイルを迎撃する作戦に動員される。

しかし、第7艦隊所属のイージス駆逐艦2隻が6月、8月にそれぞれ民間船舶と衝突する大事故を起こしたので、今は5隻しか動けない状態だ。

つまり、米5隻、日4隻の9隻で編成された米日連合艦隊が北太平洋に飛来した「火星12型」を迎撃できたはずだ。

しかし、米日連合艦隊は頭上を飛ぶ「火星12型」をレイダーに捉えながらも指をくわえて見ているしかなかった。

ミサイル防衛システムにこれまでいくら投資したというのか。なのになぜ迎撃しないのか。

米日のミサイル防衛システムが北朝鮮のミサイルを迎撃できない主な理由は二つ。

一つは、「SM-3ブロックIB」の性能では「火星12型」を打ち落とせないからだ。

米国の発表を基に両者を比較するとこうなる。

平均飛行速度:「火星12型」の秒速3.0kmに対して「SM-3ブロックIB」は秒速2.67km
射程距離:8500kmに対して600km
高度:550kmに対して160km

爆撃機に竹やりで応戦するようなバカさ加減だ。

「火星12型」が高度160kmに到達する前なら撃墜できるかもしれないが、そのためには米日連合艦隊が発射地点に接近しなければならないが、そこは北朝鮮の防衛範囲内、攻撃圏内となるので、まさに自殺行為となる。

もう一つは、米日連合艦隊に設置された「AN/SPY-1」フェーズドアレイレーダー( PAR)の性能が低くて、「火星12型」を探知するのが困難だからだ。

このPARの探知距離が200km、今回「火星12型」が発射されたのは平壌、つまり米日連合艦隊が「火星12型」が発射された瞬間に即時探知するには、北朝鮮の東海岸50km程度まで接近しなければならないが、これまた自殺行為なのだ。

たとえ秘密裏に接近できたとしても、「AN/SPY-1」はミサイルの飛行方向程度の情報しか得られない。

飛行速度、飛行高度などの情報を警報衛星が探知し3つの情報(3次元迎撃情報)が得られて初めて迎撃可能となる。

現状、日本は衛星からの情報を米国からもらうしかないので、単独での迎撃は夢のまた夢なのだ。

さらに、たとえ瞬時に3次元迎撃情報がそろったとしても、米国が迎撃許可を出す前にミサイルが高度160kmを越えてします。その時間はわずか90秒なのだ。

日本はこんなおもちゃにもならない貧弱なミサイル防衛に大金をつぎ込んだ訳だが、政府や政治家はこんなことはもちろん知っている。

この背景には防衛装備を売りたい軍産企業と武力を向上させたい日本保守の思惑がある。

北朝鮮のミサイルは口実としては申し分がないという訳だ。

金正恩委員長がミサイルを贈り物と表現する意味にも納得だ。

日本が本気で北朝鮮のミサイルに備えるには、ミサイルを打たれないように外交努力をするか、核武装するかの二択しかない。

米国の前哨基地として利用され、大国によって演出される東アジアの危機的状況に踊らされてはならない。