緊張が激化する米朝対立の着地点はどこにあるのかを展望する。
北朝鮮は次のように公言している。

「我々の最終目標は米国と実際的な力の均衡を保ち、米執権者たちの口からむやみに、我が国に対する軍事的選択だとか何とかという雑言が出てこないようにすることだ」

アメリカはどうか?

北朝鮮の核、ICBM保有が現実となった今、これ以上非核化交渉を行うこともできないし、だからといって圧力で屈服させることもできない。

北朝鮮の粘り勝ち。それはアメリカの敗北を意味する。

アメリカは北朝鮮との何らかの電撃的な合意でしか、敗北の恥辱を和らげる手立てがない。

その合意点は、米朝和平と駐韓米軍撤退だ。

アメリカは朝鮮半島から手を引く代わりに、韓国と日本に最新兵器を売りつける。

リスクと人力を減らして儲けをかすめ取る。

最新鋭兵器で武装した日本がアメリカと共に海外で武力行使できる体制が整えば、リスクの高い駐韓米軍などいらない。

韓国は自らも武装した上で、核保有国の北朝鮮と対等な立場で、「民族同士」の融和を図る。

中国、ロシアにとっとは、アメリカと対峙する前線が後退するので受け入れられないことはない。

統一朝鮮は日本海から太平洋へと抜ける東アジアの貿易ラインを開拓する中国、ロシアにとっても好都合だ。

実際には駐韓米軍の撤退、日本軍武装強化には時間が必要なので、米朝和平合意には段階設定が必要となる。

その間に合意が破たんすることもありうるが、戦争リスクは回避され、朝鮮半島への投資は進むだろう。

日本と韓国の武装強化について、中国がどれだけ譲歩するか、見返りとなるアメをアメリカは用意できるのか。

今後はビジネスライクに事が進む。